ケーススタディ

ELOTECHがPROFINETとEtherNet/IPの統合を迅速化

重要な通信プラットフォームが製品ライフサイクルの終わりを迎えたことを受け、ELOTECHはHMS Networksに、供給体制の早期立て直しと、将来を見据えたマルチプロトコル通信プラットフォームの構築を依頼しました。

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ELOTECHについて

1994年に設立され、ドイツのヒルデンに本社を置くELOTECHは、プラスチック加工、押出成形、工業炉システム向けの温度制御ソリューションを開発しています。30年以上の経験と5,000種類を超える製品バリエーションを有し、マルチゾーン温度制御ソリューションを提供する業界有数の企業です。

課題:長年使用してきたプラットフォームが製品寿命を迎える

ELOTECHの既存の通信ソリューションは製品ライフサイクルの終わりに近づいており、顧客需要が高まるなか、同社が依存していたモジュールの生産終了が決まっていました。生産を継続し、引き続き顧客の期待に応えるため、代替ソリューションを早急に導入する必要がありました。
ELOTECHの電子エンジニアであるFlorian Black氏は、次のように説明します。「当社は供給不足に陥るリスクに直面していました。最優先事項は、将来の開発に向けた安定した基盤を確立しながら、製品供給能力を可能な限り早く回復することでした。」

要件:信頼性、柔軟性、コンパクトさ、迅速な実装

ELOTECHは、老朽化したプラットフォームを置き換えることが、長期的に見て最善の選択肢であると判断しました。同社が必要としていたのは、信頼性とコンパクトさを備え、複数の産業用プロトコルに対応し、迅速に実装できるソリューションです。さらに、進化するサイバーセキュリティ要件への対応を含め、長期的な製品開発を支えられるプラットフォームも求めていました。

「信頼性は当社にとって最優先事項でした。長年にわたって安心して使用できる、実績あるサプライヤーの確かなソリューションを求めていました。また、非常にコンパクトなソリューションも必要でした。理想は、迅速な試作に向けて手作業ではんだ付けができ、量産コストも最適化できる切手サイズのフォームファクタです。複数の産業用プロトコルに対応し、製品バリエーションを最小限に抑えられることも重要でした。さらに当時の状況では、すぐに入手でき、可能な限り短期間で統合できることが重要な条件でした」とFlorian氏は説明します。

ソリューション:HMS NetworksのAnybus CompactCom 40

ELOTECHは、利用可能な代替案を検討した結果、次世代通信プラットフォームの基盤としてAnybus CompactCom 40 Brickを選択しました。Florian氏は、その理由を次のように説明します。「Anybusについては、以前の評価を通じてすでによく知っており、そのコンセプトも十分に理解していました。決め手となったのは、技術力と、実装に必要な工数の少なさの組み合わせでした。これは当社の製品戦略との親和性が非常に高く、今後の開発を簡素化できます。」

ワークショップから6週間でPROFINETに対応

導入プロジェクトは、初回の打ち合わせの翌週に行われた実践的なワークショップから始まりました。HMSの技術担当者はELOTECHのチームに、迅速な作業開始に必要な主要ツール、プロセス、開発リソースを紹介しました。

この早期の支援が、重要な役割を果たしました。ELOTECHのエンジニアは、使い慣れていないツールやプロセスの習得に時間を費やすことなく、通信機能を製品に統合し、動作するプロトタイプの完成に向けて迅速に開発を進めることができました。

プロジェクト全体を通じて、HMS Networksはスターターキット、ドキュメント、サンプルコード、設定ツール、テクニカルサポートを提供しました。APIとホストアプリケーションコードジェネレーターにより、ELOTECHのチームは通信処理の詳細ではなく、デバイス固有の機能開発に集中でき、試作とテストを加速できました。
「成果は目覚ましいものでした。最初のワークショップから顧客向けPROFINETソリューションの完成まで、ハードウェアとソフトウェアの開発を含む全工程に要した期間は約6週間でした。当社が直面していた時間的な制約を考えると、これは大きな成果でした」とFlorian氏は説明します。

わずか2日でEtherNet/IPに対応

PROFINETの実装成功により、ELOTECHが直面していた当面の製品供給に関する課題は解決されました。同時に、マルチプロトコル通信プラットフォームの価値も実証されました。 

「一度プラットフォームを確立すると、ほかのプロトコルへの拡張がはるかに容易になりました。当初は、需要量が最も多く、事業上の緊急性も最も高かったPROFINETへの対応を優先しました。その実装を無事に完了した後、ほとんど追加の工数をかけずにEtherNet/IPに対応できました。実際に必要だった開発作業は、実作業ベースでわずか約2日間でした」とFlorian氏は説明します。

この結果は、Anybusのアプローチが持つ主な利点の一つを明確に示しました。ELOTECHは、市場や顧客要件ごとに個別の通信ソリューションを開発・維持するのではなく、共通のハードウェアプラットフォームを基盤とし、必要に応じて新たなプロトコルへの対応を効率的に追加できるようになりました。

メリット:製品供給能力の回復と開発工数の削減

ELOTECHにとって最初の大きなメリットは、製品供給能力を回復できたことでした。「顧客の需要に迅速に応え、従来のソリューションに伴う長期的なリスクを回避できました。同時に、今後の開発に向けて、これまでよりもはるかに柔軟なプラットフォームを手に入れることができました」とFlorian氏は説明します。 

現在では、多くの設定変更をアプリケーションソフトウェアから行えるため、開発工数が削減され、新たな顧客要件にも迅速に対応できます。「顧客にもメリットがあります。ファームウェア更新を管理しやすくなり、保守も簡単になりました。また、同一のハードウェアプラットフォームで複数の通信プロトコルに対応できます。これにより、製品バリエーションを削減し、さまざまな市場やアプリケーションへの展開を簡素化できます」とFlorian氏は付け加えます。

将来を見据えた基盤の構築

ELOTECHにとって、この導入は単なる技術的なアップグレードにとどまりません。短期的な製品供給能力を確保すると同時に、将来を見据えた通信プラットフォームを構築するための戦略的な一歩となりました。

「最大の効果は、市場投入までの時間を短縮できたことです。以前は、通信機能を実装して量産準備が整うまでに1年以上かかっていました。新しいプラットフォームにより、開発サイクルは大幅に短縮され、今後のプロトコル統合や製品の仕様変更にも、はるかに少ない開発工数で対応できるようになりました」とFlorian氏は説明します。

迅速な統合、充実した技術サポート、マルチプロトコル対応の柔軟性を組み合わせることで、ELOTECHは差し迫った供給リスクという課題を、長期的な競争優位性へと転換しました。サイバーセキュリティ規制が強化されるなか、新しいプラットフォームは、将来のサイバーレジリエンス法(CRA)対応を支えることを想定した通信基盤にもなっています。

その成果は明確です。6週間でPROFINET、2日間でEtherNet/IPに対応し、次世代の産業用製品に向けた通信プラットフォームを実現しました。

ソリューションの詳細

組み込みネットワークソリューション

基本データ

企業名 ELOTECH Industrieelektronik GmbH

国籍: ドイツ

ソリューション:組み込み産業用通信

産業: 産業オートメーション

製品: Anybus CompactCom 40 Brick

組み込み製品

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