スウェーデンの製パン会社である Östras bröd 社は、1899 年設立のパン製造会社です。長きにわたる伝統があるからといって、新しいテクノロジーを活用できないということはありません。同社の新しいベーキングマシンには、Siemens 社の制御装置に基づいた最先端の制御システムと HMS によるワイヤレステクノロジーが実装されています。
このマシンを製造したのはオーストリアの Softtec 社で、製パン業者向けの革新的なオートメーション化ソリューションを専門とする会社です。
同社が抱えていた課題
ベーキングマシンは、製造過程の生地を入れておく複数の巨大なシリンダー型コンテナーで構成されています。これらのシリンダーは、ターンテーブルのようにゆっくりと回転することで小麦粉と水で満たすことができるという仕組みですが、これによって配線が面倒になります。
また、制御のためのキャビネットは部屋の向こう側にあるため、配線はもっと複雑になります。
ソリューション
この課題を解決するため、Softtech 社は HMS の Anybus Wireless Bolt ソリューションを導入しました。Anybus Wireless Bolt により、通信距離最大 100m の範囲で Bluetooth またはワイヤレス LAN 経由のかなり安定したワイヤレス接続が確立されます。
Wireless Bolt の上部は機械やキャビネットの外側に露出させて装着しますが、下部は内部で機械に接続します(Ethernet 経由)。
Softtec 社のベーキングマシンでは、Wireless Bolt をケーブルの代わりに使用し、部屋の向こう側にあるメインの制御キャビネットと接続することで配線をなくしています。ベーキングマシンの上部に 1 台の Wireless Bolt を、約 10m 離れたところに位置する制御キャビネットの上部にもう 1 台を装着して接続しています。
Softtec 社の Andreas Kisch 氏は次のように述べています。「ワイヤレス通信の代替として、スリップリングの使用を考えていました。しかしながら、動いたり回転するものは何でも、しばらくすると摩滅してしまいます。そのため、メンテナンスを必要としないワイヤレスソリューションを選ぶことを決めたのです。」
Bolt から Bolt へ :2 つのうち、1 つの Wireless Bolt をベーキングマシンの上部に装着(左図)し、制御キャビネットの上部に取り付けたもう 1 つの Wireless Bolt(右図)と Bluetooth で通信。